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筋・筋膜性腰痛症

2016.05.28 | Category: 症例紹介

筋・筋膜性腰痛症

こんにちは。流山市・南流山・新松戸にある中井スポーツ整骨院です。

今日はスポーツ選手に多い腰痛、筋筋膜性腰痛についてのお話をしたいと思います。

 

疾患の概念

腰痛は腰部の痛みの総称です。スポーツ全般において最も頻度が高い傷害で、いくつかのタイプがあります。筋・筋膜性腰痛症は、主にスポーツ活動によって起こる腰の筋膜や筋肉の損傷による腰痛の一種です。


解剖

背骨を構成している骨(脊椎)のうち、腰椎は5個の骨の積み重ねで成り立っています。この骨と骨との間には、椎間板という柔らかいクッション代わりの組織があり、骨同士の衝撃を和らげています。また、腹筋(腹直筋、内外腹斜筋、腹横筋)と背筋(脊柱起立筋、広背筋、大腰筋)などが、背骨をとり囲むようにして支えています。


受傷原因

スポーツ活動では、ピッチング、ジャンプ、スイング、体幹の過伸展(背筋)や、屈曲(腹筋)、回旋(腹斜筋ほか)、中腰の姿勢から腰にひねりを加えるなど、スポーツ全般の動作で発生します。腰に負担のかかる激しい動作に多く起こり、また前傾姿勢の保持や着地時の衝撃なども腰痛の原因となります。


筋・筋膜性腰痛症

スポーツ中の無理な体勢によって起こる急性の筋膜や筋肉の損傷は、いわゆる肉ばなれです。腰椎捻挫(靱帯や関節包の損傷も含む)もほぼ同じ意味合いです。慢性の症状は、主に使いすぎ(オーバーユース)による疲労が原因なので、適度な休養や十分なストレッチングが必要です。このオーバーユースによる症状として背筋の緊張が高く、筋肉に沿った痛みがあります。しかし、下肢のしびれや筋力低下、知覚障害などの神経症状、レントゲンでみられるような骨の変化はありません。また、鑑別は困難ですが、いわゆるぎっくり腰の多くは筋膜が損傷したものだと思われます。


鑑別疾患

腰椎椎間板ヘルニア 腰椎の間にある椎間板から軟骨が飛び出して神経を圧迫し、腰、臀部、下肢後面の疼痛(坐骨神経痛)や足先にしびれ感などが出現する。腰部への過度な負荷が原因だと考えられるが、レントゲンでは鑑別できない。
腰椎分離症 発育期において、腰に大きな負荷のかかるスポーツ選手に多くみられる。腰椎後方の椎弓が分離(疲労骨折)しており、分離部の異常可動によって疼痛が発生する。体幹を後屈すると腰痛が増強しやすい。レントゲンで鑑別できる。

治療

急性の腰痛症では身動きも困難な場合があり、このようなときは第一に安静にしましょう。ただし、いたずらに長い安静は筋力や柔軟性の低下につながるため、強い疼痛が軽減したらすみやかにストレッチングを行います。そのため、腰痛に対する十分な理解と、ストレッチングなどのふだんの管理が必要です。  また、消炎鎮痛内服剤、湿布などの外用剤の使用や、ホットパック、物理療法(電気治療、低周波、干渉波、超音波、レーザー=写真1)、鍼、マッサージ、カイロプラクティックなど、さまざまな治療がありますので、症状や病状に応じて治療法の選択も変化します。  腰痛用ベルトには、腰椎や骨盤に過大な動的負担が加わらないように安定させる目的がありますので、スポーツ選手にも有用です。

 


危険信号

安静時の痛み、坐骨神経痛(臀部)、下肢のしびれや知覚障害などが出現すると危険信号です。慢性化した腰痛や、安静を保持しても再発する腰痛では、筋肉のみならず腰椎の変化や神経による原因が考えられますので、整形外科専門医を受診してください。また、内臓疾患や腎臓・尿路の結石などが原因の腰痛もありますので、注意を要します。


予防法

脊椎の安定を目的とする腹筋や背筋の強化と、ストレッチングによる柔軟性の獲得が有用です。腹筋運動では、股関節、膝関節を軽度に屈曲して行うと他部位への負担を軽減できます(写真3)。ストレッチングでは体幹の可動域改善や、腹筋・背筋・体幹の回旋動作を含む筋力強化を行います。特に股関節には腰椎や骨盤からの筋肉が付着しており、股関節が硬いと腰にも負担がかかるので、ストレッチングによる柔軟性の獲得が大事です。

 


ワンポイントアドバイス

股関節の柔軟性 腰痛改善には股関節の柔軟性獲得が大切です。SLRテスト、立位体前屈、腹臥位での踵臀距離などの柔軟性チェックを行います。股関節周辺の筋柔軟性が低下すると、腰部への負担が増加します。  股関節の屈曲(ハムストリングス大腿後面の伸張)・伸展(大腿四頭筋)・外転(内転筋)・内転(腸脛靱帯)などのストレッチングによって股関節の可動域獲得を図りましょう。特に慢性の腰痛では、体幹の回旋ストレッチが有用です。

 

腰痛などの痛みがでたら自己判断せず、スポーツ障害専門機関で診てもらいましょう。早期治療が早期回復のポイントです。

 

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院長中井 啓太